介護職はなんで底辺って言われるの?社会的評価が低い理由を考える | 介護職辞めたい人のお悩み相談室

介護職はなんで底辺って言われるの?社会的評価が低い理由を考える

teihenあなたは胸を張って「介護の仕事をしています」と言えていますか?

介護職で働く人の中には「介護は底辺の仕事」「社会的評価が低い」と自分の仕事に自信が持てていない人も少なくなく、知人や親族に自慢できる職ではないと思っている人も多いのでは!?

しかし介護とは、人の命を助ける仕事であり、人の最期を見届ける尊い仕事です。

どうしてこんなに重要な仕事が低く見られてしまうのでしょうか?その理由と介護職の社会的地位を上げるためにはどうすればいいのかを考えました。

介護職が底辺と言われる理由を考える

給与、平均年収が他職業に比べて低い

l_famz9qiepi02d1478753682_1478753695介護職が「底辺だ」「社会的評価が低い」と言われる第一の理由は、給与の安さではないでしょうか。

厚生労働省によると、全産業の平均賃金が月額37万2400円なのに対し、介護職は23万9300円と月収ベースで13万円以上の開きがあります。

介護業界では上の方と考えられているケアマネージャーでも28万4800円で、全産業平均より9万円近く安いのです。

また、介護職は医療職と連携して働いていますが、医療業界の給与は、年収1000万円以上が当たり前の医師をはじめ、平均月額30万7100円の看護師、27万5700円の准看護師など高収入の方が多数います。

ケアマネの賃金は、かろうじて准看護師を超えていますが、介護職の賃金は准看護師より3万6千円も安いのです。

一般的には「重要な仕事ほど賃金が高い」と考えられる場合が多く、賃金が安い介護の仕事については「重要ではない」と考えられてしまう背景があるのです。

介護福祉士の給料・平均年収は?

無資格でも働けるので「誰でもできる仕事」と軽視されがち

omv7ylzo0j9zenz1478753391_1478753407医師や看護師が行う「医療行為」に関しては、医師免許や看護師免許がなければ行うことができません。

資格がない人が医療行為を行えば、傷害罪などで罰せられますからね。

しかし、介護に関しては医療従事者と違って、資格を持っていなくても介護職として働く事ができます。

10年以上専業主婦として過ごしてきた、ど主婦の方でも、面接さえクリアすれば誰でも就業できるので、職に対して軽視されやすい背景があるのです。

本来、高齢者の介護というのは、元々は家族が無報酬で行っていたもので、介護保険制度が導入された現在でも、無資格の人が仕事として介護を行っても、法律的にも全く問題ありません。

つまり、介護の資格である介護職員初任者研修や介護福祉士は「取っておいた方が良い資格」ではありますが、最悪「なくても働くことができる資格」なのです。

介護の仕事は学歴不問。中卒や高卒でも就業可能

dz5h76l6scziptv1478753134_1478753155例えば、大手上場企業や国家公務員というのは、基本的には学歴が重視される世界になります。

中には高卒や中卒でも採用される人もいますが、新卒採用は優秀な成績を収めた高校生、又は大卒のみと限定されるのが一般的。

つまり「その仕事に就く為には大卒が最低条件」という職は、社会的評価が高い仕事というのが一般的な認知になります。

しかし、介護の現場を見渡してみると、どうでしょう?

中卒や高卒の人が多数いますし、むしろ多くいるというより、それほど学歴が高くない人が中心になって働いている介護施設も沢山あります。

学歴に左右されない仕事というのは、個人的には評価に値すると思いますが、世間一般の目からは「他で就職できないから介護の仕事をしている」「○○も分からない低学歴」と、差別的な言葉を用いて見下されてしまうことが一部あるのです。

介護需要は高まっているのに、介護職の社会的評価が上がらないのはなぜ?

u59pzrwlxctvsdp1478752780_1478752799介護が必要な高齢者が急速に増えていく中、介護の需要は年々高まっており、首相も国会議員も厚生労働省も国民も

「介護職員がもっと必要!」
「介護従事者が足りない!」
「他の業界からもどんどん介護の世界に飛び込んできて!」

と口を揃えて言うように、日本は既に超高齢社会を迎えていますが、今後も更に高齢化は進んでいきます。

ですが、現在の人材不足が続けば、介護が必要な高齢者が増えているのに、介護職員が圧倒的に不足した最悪の状況になりかねません。

近年、誰にも看取られずに亡くなる「孤独死」が社会問題になっていますが、このまま介護職不足が続けば「孤独死の方が当たり前」の社会になり「ちゃんとした死に方ができない高齢者」が多数出てきてしまう恐れがあるのです。

ですが、介護職には「孤独死が当たり前の社会」を防止する重要な役目があります。

それなのに何故、介護職を底辺呼ばわりしたり、社会的評価が低いままで上がっていかないのでしょうか?

ある人は「ウンチやおしっこの世話をする仕事だから」と言いますが、それは当たっていません。

何故なら、保育園や幼稚園の先生も子供の排泄物の世話をしますが、先生たちは自分の仕事を底辺だとは考えていません。

介護需要が高まっているのに、社会的評価が低い理由は、多くの日本人に備わっている「死を扱う仕事を忌み、嫌う性質」が一因と考えられています。

例えば、葬儀会社の社員や、ご遺体に化粧を施す納棺師に対して、多くの日本人は「尊い仕事」と考える一方で、「自分ではやりたくない」と思っている人が多数います。

死と向き合う尊い仕事ではあっても、それに見合う給料も出ないなどの不満から、介護職を否定する声が多く出てしまっているのです。

介護職の今後の将来性について

社会的評価、社会的立場を上げるためにはどうすればいいのか?【結論】

2_jmnvmt0aeym9k1478752424_1478752444介護職に従事する方が、介護の仕事に対して「社会的評価が高い」とか「社会的立場が上がった」と感じるためには、以下の2つが重要と私は考えます。

1つは、国が資格制度をしっかりしたものに作り替えることです。

家族間の介護を「無資格だから」と国が否定することはできませんが、「仕事として高齢者に介護を行う場合(給与が発生する介護)」については、ある程度「この介護資格を持っている人じゃないと行えない」とする必要があるでしょう。

実はこれは既に始まってきており、これまで痰の吸引や管を使った栄養補給は「医療行為」に該当するので、医療従事者か家族しか行えませんでしたが、介護職も特別な条件の元では、行えるようになっているのです。

つまり「痰吸引ができる介護職」や「管を使って栄養補給できる介護職」は、既に一目置かれる存在になりつつあるのです。

介護職は医療行為が行えないというのが、社会的評価が上がっていかない要因の1つとなっていたので、こうした仕事を増やしていけば、社会的評価は劇的に向上するでしょう。

ただ、介護に従事する人を資格保有者に限定してしまうと、人材不足の面が露呈してしまう事になるので、あくまで”ある程度”がポイントです。


2つ目は、介護職自身がプライドを持って仕事をすることです。

例えば、寝たきりのお年寄りをベッドから車いすに移す「移動・移乗」という介護は、家族でも行えますが、介護職員として働くプロなら、安全に移動・移乗するだけで満足せず「あなたにやってもらうとスムーズ、楽ちん!」と言われるようなレベルの仕事を目指さなければなりません。

また、介護スキルを上げると同時に、介護職はもっと医療について勉強する必要があります。

「高血圧症と診断される血圧の値は?」
「脳梗塞と、くも膜下出血の違いは?」
「褥瘡、上肢下肢、糜爛、蠕動は読めますか?」

最近は、高齢者自身や高齢者のご家族も、医療や病気について勉強しているので、知識で高齢者やそのご家族に負けてしまっていては、尊敬される仕事・人にはなれません。

自分自身が深く仕事と向き合うことで見えてくるものは沢山ありますし、たとえ底辺呼ばわりされても、自分が自信を持ってその仕事に取り組んでいれば、何を言われても雑音にしか聞こえてきません。

プライドが持てるようになる為には、介護スキルを上げると同時に、介護資格の取得にも力を入れるべき。

経験・実績・肩書というのは、きっとあなたをバックアップしてくれますよ。

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